地域の未来を変える鍵は「多様性」

最終更新: 2018年4月6日


Ideapartnersを立ち上げて約一年。


個人的な更新はフェイスブックで発信してきましたが、コラムの役割も兼ねてブログも書いていきたいと思います。

(しかし、更新頻度はネタ出来次第ということでご勘弁を…)


さて、何から書こうかと考えましたが、やはり最初は立ち上げにあたって自分が感じたこととそこに寄せる思いを書いてみます。


現在、Ideapartnersと同時に教育支援NPO「みらいずworks」で教育改革の支援に関する仕事もしています。


キャリア教育を通じて、未来に希望を持ち、主体的に社会と関われる子どもたちを増やすことが団体のミッション。


どちらも私としてはメインであり、いわゆるポートフォリオワーカーです。


あ、若干インディペンデント・プロデューサーの面もありますが…

(ポートフォリオワーカーとインディペンデント・プロデューサーについては、リンダグラットン著:LIFESHIFTをご参照ください)


また、東北ではこれまで公私ともに様々な地域の活動に関わってきました。

異業種交流会、セミナー、新しい就職活動、キャリア支援、リノベーションなどなど。主にまちづくりと若者のキャリアがテーマです。


こうした活動でいずれも課題としてあがったのが、「担い手不足と若者の地域からの流出」。今やどこの地域も直面している課題ですね。


各地域で若者の雇用、UIターン促進など様々な話し合いがなされていますが、ふと思ったんですよね。


”なぜ、地域から若者は出ていくのか、そして、なぜ戻ってこないのか”と。

仕事がない?遊びがない?それともやっぱり給料?

では、働く場所があり、娯楽施設があって、給料が世代平均以上あれば地域に戻ってくるのでしょうか?


いずれも一つの必要条件ではあるものの、絶対条件とはいえないのではと感じるようになりました。


手始めに、これまでの経験も踏まえてよくお聞きする声を改めて整理してみました。


1.若者は「地元が嫌い」

そういう子もいるけど、東京に行って一旗揚げよう的な人は減りましたね。

高校生の地元志向も高まっているという調査もあります。

リクルート進学総研「進学センサス」を見ると、それでも進学先検討時に東北や甲信越は32~34%程度は地元に残りたいと答えています。

ちなみに、2016年調査では景気回復の影響か若干流出傾向があがりました。

参考:リクルート進学総研 調査

http://souken.shingakunet.com/research/2016/10/post-4f92.html


恐らく嫌いで出ていく子は少数派なんですよね。色んな高校生と話していて感じるのが、「別に嫌いではないが、地元に関心がない」が本質に近い気がします。



2.「地元には何もない」という意見

進学先という観点ではそうだと思います。地域によっては学校数、学べる分野も限られていますし。遊びは年頃になるとそうなると思いますが。

では、仮に東京にあるものが若者の地元にあったとしても、若者たちは帰ってくるのでしょうか。


リアルのお店がなくともAmazonや楽天もありますし、どんな地域でも昔ほどの格差はなくなったのではないかと思います。


3.「仕事がない」という誤解

団塊世代の大量退職などもあり人手不足ですし、選ばなければあるんですよね。もちろん、首都圏と地域ではそこに”ある”仕事は変わりますが。


今の若者のなかで、優秀で色々考えている若者ほど知っていると思います。

特に学生は私たち社会人以上にスマホやネットに触れる時間が長いですから、情報の取り方も上手く、有効に使っている方はキャッチも早いのではないかと。


最近は場所を選ばず働けるようになってきていますが、ここでも仮に地元で東京にしかないような仕事で働けるようになったとしたら、どれくらいの若者が戻ってくるのでしょうか。

ここまで書いて気づかれた方もいると思いますが、大きなファクターはやはり「人」だと思います。


それは、誰と学ぶか、過ごすか、働くかといったこと。

教育現場の課題としても、高校卒業までに地域への当事者意識の醸成不十分であったり、生徒の多くが地域との関係性が希薄(とりわけ高校)なため、別に戻ってきたいと思わない生徒がどんどん首都圏に行っています。


先ほど触れた無関心も、まさしくその弊害であると考えます。

私の住んでいる新潟県でも約7割が県外に出て、その中で戻ってくるのは3割程度だそうです。ここについては少しずつ昨今の教育改革の流れもあり、劇的にではなくても徐々に変わっていくのではないかと思います。


こうしたなかで地方出身で県外に出た大学生の意見も聞いていて感じたのは、「働きたいと思える会社が地元にはない」が一番大きいように感じます。


もしかするとあるのかもしれませんが、現状では職種や業種といった一般的な切り口ばかりで発信されており、若者たちには伝わっていない。


それは給料とか、休みだとか条件だけで言っているのではなく、一緒に働く企業の方々が「自分たちを理解してくれていない」ということ。


留年して海外を見て回ったり留学経験がある人。お金ではなく人の繋がりを求める人。社会課題の解決に心血を注ぎたいと思う人。


そして最近聞く機会も増えてきたADHD等の障がいを持つ人、LGBTや外国籍の人も。多種多様、本当に沢山の経験を積んでいたり、色んな価値観を持った若者が多いです。


では、今の地域にはこうした若者たちの多様性を認め、受け入れ、積極活用しようとする意識。ダイバーシティに明るい方々で、特に経営者の方はどれほどいるのでしょうか。


企業の皆様は、欲しい人材像は結果的に我慢が出来て、均質的・同質的な使いやすい人材を求めていないでしょうか。


恐らくそういう若者は減っていっていますし、かつてはそれを「優秀」と評していたのかもしれませんが、今後はそうではないと思います。


仮にそういう若者が地方のこれまでと変わらない価値観の企業に応募してきてもそれは少数派になっていき、恐らく能動的な選択の可能性も低くなり、ともすると「仕方なく」の場合もあるのではないでしょうか。


グローバル化、人口減少、そしてAIによる働き方の変化が迫ってくるこれからの時代は、もっと多様な人材の活用が不可欠です。

このままいけば50年続いた企業が、当たり前にあと5年続く保証もできない世の中になっていくと思います。


地域で持続可能な経営をするには、先述の多様な人材を活かしてイノベーションを起こしていくこと。


中小企業の規模、事業形態だからできる新しいことに、これからの社会で求められる力を持った若者を活かし、積極的に挑戦していくことが重要となるはずです。


学校と地域の希薄さ、当事者意識の問題は時間がかかるかもしれませんが、文部科学省の旗振りの下で少しずつ変えようとする動きが出てくるでしょう。


しかし、これからの社会で求める主体性や問題解決能力、地域とつながり地域に対する関心や当事者意識を持った若者が増えたとしても、今のままでは企業や地域の人は受け皿を用意できず、十分に利活用できないと思います。


そして、教育改革で文部科学省が旗を振るように、誰が地域における多様な若者の活用推進の旗振りをするのでしょうか。


現状では行政の施策もUIターン支援や地元に残ってもらうことばかりに力が注がれているように見受けられます。



だからこそ…


自らがポートフォリオワーカーとして、地方で型にはまらない新しい働き方、多様な生き方を追求している。誰もやらないのであればまず自分がやってみよう。


旧態依然とした生き方や一つの価値観に縛られず、地域におけるロールモデルに自分がなり、発信を通して多様な生き方ができる若者を増やしていこう。


同時に地域の中小企業側の人材活用や育成の考え方、人事制度にも影響を与えていこう…と。


誰もよりもまず自分が新しい生き方を率先してやってみる。地域におけるダイバーシティやイノベーションを追い求める起業家になる。


そんな理念の下、自らの強みである企画力やコミュニケーションデザイン、キャリア理論を活かして人や組織を支援していこうと思って立ち上げたのがこのIdea partnersです。


社会がこれからどんな風になっていくかは分かりません。もしかしたらこの事業自体が求められていないのかもしれない。


だけど、今の社会で生きにくさを感じる若者や、自分らしさを発揮して前向きに社会と関わろうとする若者、そして自分のためにもこの事業を地域社会にフォーカスしてやっていこうと思います。


まだまだ走り出したばかりで、至らぬ点ばかりですがどうぞ温かい目で見てやってください。


これからも皆様のお役に立てるよう頑張ります。


それではまた。

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