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独立起業や複業・パラレルキャリアをスタートすると直面するであろう3つの課題



コワーキングスペースSea Point Niigataさんと一緒に開催した先日の海の家大学ですが、大変有難いことにブログも含め、その後他方でも反響をいただきました。


改めて、新しい働き方やパラレルキャリアの考え方が今後ますます重要になってくるであろうと感じています。


この流れを先取るようにパラレルキャリアを2013年から始め、2016年に独立。仙台から新潟へUターンし、早いもので2年が経過。今の選択に後悔はしていないものの、まだまだ安定とは程遠く試行錯誤の毎日。今の働き方をはじめて得られたメリットも多いですが、一方でいろいろと課題も見えてきました。


働き方やパラレルキャリアについて毎度毎度偉そうに語っていますが、「お前はどうなの?」という声とともに突っ込みが来そうなので、これから新しい働き方(独立起業/複業・パラレルキャリア)に挑戦する方向けにこれまでの経験に基づき、私が感じてきた課題と、一部その自分なりの乗り越え方についてもお話したいと思います。



恐らく、既に実践されている方はあるある話として感じられるものもあるかもしれませんが、お付き合いください。




課題1:タイムマネジメント


まず、独立起業すると勤務時間が定められていたときと比べて時間の使い方に自由度が高くなり、当たり前ですが完全に自己責任になります。


朝何時に起きるか、夜何時に寝るか、平日や週末も関係なくなるため、時間の主導権が自分のもとに来ることに対応が出来るかが課題となると思います。


裏を返せば、自分自身でタイムマネジメントが上手くできない人は、どんなに能力が高くても独立向きではないかもしれません


朝型か夜型かも人それぞれですし、その人なりに仕事や家事をするタイミング、家族がいれば家族との時間が絡んでくるなかで、自分なりのリズムを作るということは最初は意外と大変です。


注意しないと、つい家で「ながら仕事」(集中力を損なう何かに気を取られながら、ダラダラして仕事をしてしまう)をしてしまうこともあり、強制的に時間や場所が区切られる一般的な会社員の働き方と違い、自分の意思で管理しないと生産性を上げることは容易ではありません。



そして、組織に属しながら余暇時間を複業・パラレルキャリアに充てようとする方は、仕事に費やす時間をいかにコントロールして作り出せるかが最初の関門になると思います。


仕事はすればするほど無限に増えていき、決してなくなることはありません。そして、仕事しかしていないと、仕事しかできなくなるというジレンマがあると思います。


私はリクルートに務めていた頃からリモートワークを導入した働き方を経験でき、出社は週1,2回で地方への出張に合わせた直行直帰も当たり前だったので、移動も含め時間の使い方は自分なりに工夫をしていました。


当時、パラレルキャリアを始めたことでまず意識したのは、仕事の自己満足的な過剰品質を改め、やらなくてもいいけど出来ればやっておいたほうがいい仕事を思い切って捨てました


キリがない仕事をどのように切り上げるかということですが、


「予定よりもこの仕事が早く終わったから、前倒しであれもやろうかな…」

「この資料、もっと綺麗に仕上げられるようにいじっておこう」 「なんか早い時間から仕事を終えるのは気が引けるな…」


といった自分のなかのマインドセットを変えることがまず大切ではないかと思います。


その上で、仕事のなかで自分で時間のコントロールが可能なもの・難しいもの、そして費やしている時間の大・小でマトリクスをつくり、時間をカットできそうな仕事を整理してみるのが効果的です。



数字は、検討を行う優先順位です。人によっては②と③は逆でもいいかもしれませんね。



その結果、私の場合はアポイントに伴う移動や営業、会議などは難しかったものの、資料作成や事務仕事が自分でコントロールが出来て、かつ費やしている時間が大きかったので、そこをテコ入れしました。


具体的には、資料のつくり方もパワーポイントで一から何枚も作成していた資料を出来るだけ使いまわすようにしたり、営業資料として会社から配られたテンプレートもそぎ落とし減らしたり、さらにはここぞという提案機会以外はペライチ程度の簡略資料を使うようにしました。


また、これまで自分でやらなければと思い込んでいた業務の一部も、営業事務や庶務の方の状況を鑑みながら無理のない範囲で人にお願いをするようにしたことで解決を図りました。


これによりって週の数日は18~19時で仕事を切り上げるようになり、空いた時間に仕事以外の打合せを行ったりイベント参加が出来るようになりましたが、大きく業務に支障は出ませんでした。ここでタイムマネジメントに必要なマインドセットを築き、捨てられる仕事を見極めることができたのが、その後の独立にも活きたのは間違いないと思います。


何らかの理由で時間を捻出しなければならなくなった方や、働き方改革によって捨てる仕事を作らなければならなくなった場合にも有効だと思います。企業として取り組む場合も、グループでこれらを話し合ってみても良いかもしれませんね。


ぜひ独立起業を考えている方、そして複業・パラレルキャリアをはじめようという方はぜひお試しください。




課題2:働きすぎ問題


2つ目はどちらにも通じますが、注意しなければいけないのが働きすぎ問題です。

独立して今なおあることですが、休憩時間も意識的につくらないとないので、知らず知らずのうちに疲れが溜まってしまいます


資料作成や企画の構想に集中するあまり4,5時間一切休憩せずにぶっ通しで作業することや、帰宅後も戻ってから思いついてPCを開いてしまうと、気付けば深夜1時を回ることも…


特に好きなことや得意なことにフロー状態を感じるくらい没頭できる仕事をしていることで、その時はあまり疲れを感じないある種のハイな気分になることもあり、後々疲れがどっと出るなんてこともあります。


もちろん夜型生活を送る方で、深夜にパフォーマンスが上がるといった場合や、家族がいるから仕事できるのは夜だけという方もいるので一概には言えませんが、自分にとって下回ってはならない睡眠時間の確保は意識した方がいいと思います。


翌日にアポイントがないとついやりがちなのですが、自分の代えがきかない立場だからこそ、会社員時代以上に体調管理には注意しなければならないなと、日々感じています。

(自戒の念も込めて…)


そして、複業・パラレルキャリアをされる場合も、組織に所属する会社員としての立場がある方は当たり前ですが、他の仕事に支障が出ないように十分注意しなければなりません。


副業は本業の隙間を縫ってお金を稼ぐ仕事をすることですが、複業・パラレルキャリアは意識的にはどちらも本業


両方の活動を大事にするあまり、のめり込んで会社員としての主たる収入を得ている仕事の成果が落ちてしまっては継続は難しくなってしまいます。


これも経験談ですが、パラレルキャリアとして活動を増やしていくことで、懇親会などお酒を交えたお付き合いも増えていくこともしばしば。参加しているときは楽しくて、宴席だからこそ腹を割って話ができることもあるのですが、夜更かしが翌日に響いて次の日の仕事がしんどくなったということも珍しくありませんでした。お付き合いもほどほどに、ですね。


単なるボランティアの意識で行うならここまで無理をして時間を費やす人も多くないと思いますが、複業はキャリアの一環として真剣に時間を使うからこそ、本気に臨むこともあり得ます。だからこそ、そのパワーバランスもプロとしては意識すべきです。


お金よりも自分が求める経験を取ってやるからこそ、社会人としての成長がありますし、肩書に依らない人間関係や人脈が生まれます。それが独立起業、そして複業・パラレルキャリアとして仕事をしていく上でも何よりの財産になります。


それぞれの立場のバランスをとりながら、体調管理にはぜひ気を付けたいですね。




課題3:マイノリティの道を進む勇気


私はあまりなかったですが、周囲の方のお話を伺っていると、恐らくこれも課題として起こり得るのではないかと思っています。


働き方改革の1つとして、副業解禁が国としても推奨されるようになっても、まだまだ大手企業以外では理解が追い付いていないのが現状です。


働き方改革の本質的な意義も把握しないなかで「単なる過労死防止でしょう」程度に捉えている方も少なくないでしょう。


職場の風土にもよりますが、仕事以外に時間を使うということについて、上司はもとより同僚からもなかなか理解されないかもしれません。


現状では、「お金を稼ぐ訳でもないのになぜそんな活動にばかり参加しているのか?」と穿った見方をする人の方がマジョリティ(多数派)ではないでしょうか。


職場以外の様々な活動に参加することで自身の学びや成長、キャリアの発達に活かすことができるということを組織開発の分野では『越境学習』として紹介されています。企業のなかにはこうした意義も理解し、積極的に副業・複業を推奨しているところも出てきていますが、それもごく少数。


多くの方は周りからの目や集団の同調圧力により、人と違う選択や違う道を選ぶということに不安や恐れを感じているのかもしれません。


しかし、周りに沢山の人がいるからこの選択・この道は間違っていないとも限りません。

多くの方が気付いていないだけという場合もあります。どうしても楽な方に流れるというのも人間の性(さが)です。


「自分にとっての理想の姿とは」「自分にとっての幸福とは何か」


こうした確固たる自分の思いを言語化し、その上で独立起業や複業・パラレルキャリアがその実現の手段として必要であると思えるなら、ぜひ周りの目を気にせず、そして楽な方に流されず、例えまだまだマイノリティだとしても自分の意志で自分の流れを選んでください。



「マイノリティになる勇気」は、言い換えれば「孤独になる勇気」です。



私もパラレルキャリアをはじめた当初は、同じグループのメンバーから否定はされないにせよ、理解されませんでした。


しかし、続けていくなかで新たに得られた人脈や経験が徐々に仕事にも活かすことが出来るようになってくると自信が芽生え、そして会社の外にサードプレイスともいえる居場所が出来たことで仕事や人生に対する価値観が大きく変わりました。


どんなときも最初は勇気が入りますが、一度意志をもって選んでしまえばその先がどんどん見えてきます


その過程で、これまでになかった新たな出会いもあります。孤独になるかもしれない恐怖を乗り越えた先には、同じように乗り越えた仲間が必ずや現れますので、ぜひ恐れず進んでみてください。




まとめ


自分自身の体験、そして周囲の方のお話をもとにまとめると、起業、複業・パラレルキャリアを考えた際に直面するであろう課題は以下の3つです。


①タイムマネジメント

②働きすぎ問題

③マイノリティの道を進む勇気


言い換えると、生産性を意識した時間管理の主導権を持ち、心身の健康や異なるキャリアのパワーバランスを図り、周囲の目を気にせず自らの信じる「幸せ」に向けて進むマインドセットを身につけることができれば、起業や複業・パラレルキャリアという手段を通して自分らしい人生をデザインできるはずです



実体験に基づきまとめてみましたが、まだ抜けているところもあるかもしれませんし、人によってはその乗り越え方について別なアイディアをお持ちの方もいらっしゃると思います。ご経験されている方はぜひともご意見をお聞かせください。


まとめておいてなんですが、私もまだまだタイムマネジメントや働きすぎ問題については工夫の余地があると思っています。実践しながら得られたものは、皆さんにもまた別の機会でお伝えしたいと思います。


これから起業や複業・パラレルキャリアを考える方が、これを読んで今すべきことが少しでも明確になったのであれば嬉しいです。



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山本一輝


Idea partners


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