パイオニアになる責任と覚悟

最終更新: 2019年4月29日


SNSやコラムで、時代の変化を踏まえた働き方や組織のあり方について自分の考えを発信していますが、これまであまり書いてきませんでしたが、今後訪れることが予想されるパイオニアの時代について今回は触れてみようと思います。



「なくなる仕事」と「新しく生まれる仕事」

まず前提となる話です。 これを読まれている方も本やニュースなど、散々聞いたことがあるかもしれませんが、これからの時代は技術革新などの影響から、AIやロボットに人間の仕事が代替されることになります。

これは英国オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが発表した 「雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文に端を発し、世界中で注目されるようになりました。

同論文では702職種についてコンピューターに取って代わられる確率を出しており、消える職業・なくなる仕事として、銀行員やスーパーのレジ係、事務員など具体的に示されています。

また、日本では2015年に株式会社野村総合研究所が同大学との共同研究により「10~20 年後に、日本の労働人口の約 49%が就いている職業において、それらに代替することが可能」という発表がされたことも大きく注目を集めました。

参考: 日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に ~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算~(2015年12月2日 株式会社野村総合研究所)


今後も研究開発が進むことで私たちの生産性を飛躍的に向上させるだけでなく、人手不足な業種の問題解決もできるような技術が生まれてくることでしょう。

多くの方は”無くなる”というセンセーショナルな言葉に注目しがちですが、もう一つ考えておくべき重要なテーマがあります。

それが今回のメインテーマにもつながる「新しく生まれる仕事」です。

端的にいえば、技術革新を含む社会の変化に伴って生まれた、新たな需要(ニーズ)に基づく職業といえると思います。

分かりやすい例で言えばスマートフォンが一般に普及するようになって10年ほどですが、スマホが生まれる前には当たり前ですが「スマホアプリ開発者」という仕事はありませんでした。

そしてスマートフォンでインターネットがより身近で手軽に使えるようになり、さらに通信網の発達も手伝って、YouTubeを使って動画配信をし広告収入を得る「ユーチューバー」も仕事として認知されるようになりました。

かつての人から見たら、そんなことでお金になるのか?と疑問に思うようなものが仕事になる時代ですが、これからますますそのようなことが起きていくでしょう。

今の若者たちは、決められた枠から自分がはまる枠を選ぶのではなく、枠自体を作る世代…新しい仕事をつくる側になっていくと思います。

パイオニアが溢れる時代の到来

こうした時代の変化から今までの常識では計れないものが仕事になっていき、まだ他に誰もやっていないことで価値を創造していく人も出てきます。 これは、意図せずとも誰もが「パイオニア(先駆者・開拓者)」となる可能性がある社会を生きていくことになります。

ところで、パイオニアと聞くとどんなイメージを抱くでしょうか。 具体的な人で言えば日本のプロ野球の実力を世界へと知らしめた、日本人メジャーリーガーのパイオニア・野茂英雄選手や、先日引退を表明したイチロー選手もアメリカにおける日本人選手の価値を高めたパイオニアといえます。

この二人の活躍があったからこそ日本のプロ野球選手は当たり前のようにメジャーリーグへと挑戦するようになりましたし、いま野球をやっている少年たちも、きっと夢ではなく具体的な目標としてメジャーリーグ挑戦を思い描いている子もいるのではないでしょうか。 パイオニアは、まさに開拓民。 まだ人が住めるような場所ではない土地を切り拓き、住めるような環境をつくり、後からくる人が通れる道をつくる…そんな姿こそが私のイメージです。


これから数多生まれてくるであろう新しい仕事が普及し、価値づけされるか否かは野球界でいう野茂英雄選手やイチロー選手のように、パイオニアとなる人たちの意識と行動にかかっているといっても過言ではありません。

私自身も、いまの仕事は他に類を見ない仕事形態である自覚がありますし、これまでの常識と照らし合わせても「保育士」や「デザイナー」のように一言で定義できない職業だと思っています。 そして、よくお話していますが、パラレルキャリアとして複業をしていくなかで、既存の仕事が組み合わさることで今までにない仕事や働き方が生まれるようなことも想定できるでしょう。

キャリアコンサルタントとしても様々な方のお話を伺い、状況に合わせて支援させていただいてますが、今後多様な働き方に挑戦していく人が増えていくからこそ、私の経験も踏まえ「未来のパイオニア」となる皆さんに知っていてもらいたいことをお伝えします。


1.道なき場所に道を拓き、道幅を広げる責任を持てるか


きっと、これまでも私たちの知らないところである日仕事が生まれ、世間に認知され浸透していった仕事もあれば、人知れず消えていった仕事もあったのではないでしょうか。

この差には、その道のパイオニアたる人の血のにじむような努力があったことは、想像するに難くありません。


パイオニアには、”道なき場所に道を拓くための努力””後からくる人が通れるような道幅”を広げる責任があると考えます。

努力は専門性を伸ばすためのインプットとアウトプット、情報発信、実績を積み重ねて社会的信用を獲得していくこと…こうした日々の地道な取り組みによりパイオニア自身が価値を高め、社会においてこれまでなかったところに新たな道を拓くことになります。

そして道を広げるということは、その道を通った先で後から続く人が生活できるような環境をつくれるかということです。


よく話しをする例えですが、経験者たるパイオニアがある仕事を10万で引き受けた場合、後から続く未経験の人はパイオニアとなる人とよほど明確に差別化や異なる魅力を打ち出せない場合は、価値を計る規準が10万以下が報酬の基準となります。


パイオニアとなる人も、経験がない最初のうちはサービスで受けたり、善意から規定よりも安く受けることもあるかもしれません。


しかし、キャリアを積んでいくにつれて自分が提供する仕事の価値の高まりに合わせ、報酬も上げていくような意識も持つべきです。


何年も続けているその道のパイオニアがいつまでも安く引き受けていては、後から続く人は

生活できるほどの報酬をもらうことは容易ではないでしょう。


道幅広げるということは通れる人を増やすということであり、その道の発展=新しい職種・業界の興隆です。


なかには積極的に広げる意思を持たず、とにかく自分だけがやっていける程度で細々とやろうとする方もいるかもしれませんが、信頼がお金と同価値となった現代においては、結果として他者にギブができるパイオニアが活躍できるようになるのではないかと考えています。

後進のために機会をつくり、自らの経験を伝えていく姿勢。これからのパイオニアがみな持つべきものです。


2.他者を惹きつける人間性を持ち、独りでも進む覚悟があるか


新しい道ができても、すぐそこに人が集まってくるようなことはないと思います。


「この道はどこに繋がっているのだろう」「途中で底が抜けて怪我したらどうしよう」と不安になりますし、人は歩き慣れた道から簡単には外れないものです。


その際、影響してくるのはパイオニアの人間性、即ち誰がこの道を拓いたのかが重要になってくるのではないでしょうか。


これは別にとびきり優秀でなければならないとか、聖人君子のような人徳ある人間でなくてはダメという話ではありません。むしろ、愛すべきポイントとして欠点や能力の凸凹があった方が共感されるかもしれない。


努力も苦労も、成功も失敗もありのままに伝えながら、とにかく真剣に楽しんでいることが大切なのではないかと考えます。


イメージとしては、しんどいと楽しいが同時にある共依存状態です。


パイオニアが道なき道を歩むことを楽しんでいること、そして道にやってきた人をお客様にするのではなく、一緒に開拓に巻き込んでいくことも道幅を広げるためには必要だと思います。


自分が進む道に興味を持った方に対し、ただ話をするのではなく、インターンやボランティアなどを通して実際に問題に触れてもうことも有効かもしれません。

しかし、そうしたことをしても、同じ道に人が来てくれるとは限りません。

道幅を広げても、しばらくは独りで道を進み続けなければならない時期もあるかもしれない。


人は少なからず承認欲求を持っていますから、誰にも注目されなかったり、認められないとモチベーションが保てなくなることもあるでしょう。


友人や家族には分からない、横に並ぶ人もお手本となる人もいない、パイオニアだからこその不安や悩み。


進む道で何が待っているのかは、すべて自分次第。 1、2年くらいでは恐らく結果も出ないかもしれない。そんな孤独の時も前に進み続けるには、ポジティブさと自分の可能性を信じられる覚悟が問われると思います。 当然ながらこれが正解というものはどこにもありません

この開拓の過程でほとんどの人が「やっぱりみんなのいる道の方がいい」と多くの人が行く道へと引き返していくことなると思います。 ですが、多数派に認められないからといって、その道があなたにとっての間違いとは限りません


失敗や困難に直面しても自分が信じた道を簡単に後戻りしない強さこそが、パイオニアになる人に求められる。これは職業に限った話ではなく生き方という意味でも 当てはまるかもしれません

かくいう私も前例のない道を進み続けることについては、全く不安がないというと嘘になります。


しかし、それと同時にこの世の中の変化を捉えて、次は何が起こるのだろうかと未知ゆえのワクワク感も同じくらい感じているのも事実。 ちょっとおかしいと思われるかもしれませんが、それくらいの方がこれからの時代は楽しく生きられると私はこの未知の道を信じています。


これから増えてくるであろう、新たな分野のパイオニアたちが少しでも勇気をもって進んでこられるよう、まず私自身が責任と覚悟を持って自らの人生をもって示して行きたいと思います。

最後に質問です。 あなたはパイオニアになりたいですか?

あなたの周りにはどんなパイオニアがいますか? もし人知れず道を開拓しようとするパイオニアを見つけたら、同じ道を進まなくてもいいので、そっと缶コーヒーを差し入れするような優しさで応援してあげて下さい。 それだけで、パイオニアはまた少し前に進む力になると思いますので。

(ちなみに、僕の場合は甘いコーヒーは苦手なのでブラックでお願いします)

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山本一輝

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