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あなたはどれが近いですか?自己肯定感に影響を与える評価基準マトリクス

更新日:2018年12月3日


今回は心理学の知見からを対人関係に関することをお伝えしたいと思います。


大学時代に心理学を専攻し、以来心理学的な観点と理解が常に自分の中にあります。

一時は離れたところにいましたが、いま一度学び直しをしています。



心理学を活かして教育では、子どもや学生を伸ばす環境をいかにして作っていくかを。

組織や人材開発では、問題解決に向けて人の力やモチベーションを引き出し、組織としての一体感を高めベクトルをいかに合わせられるかを。


そしてプランニングでは、特にターゲットの深いインサイトに生かされていると感じます。たまにこだわり過ぎて変人と思われますが…(笑)


色んな方々と仕事をさせてもらうなかで、時々キャリアカウンセリングをする場合があります。



そこで自己肯定感(自分は価値ある存在、ありのままでいいという感覚)や自己有用感(自分はやればできる、他者の役に立てるという感覚)が低くかったり、認知の歪みから生きにくい価値観を持った方が多いと感じることがあります。特に最近の高校生~大学生、若手社会人の方が顕著です。



内閣府の調査で国際比較したデータでも有名ですが、日本の若者は自己肯定感が低く未来への希望を抱けない若者たちと言われています。





出典:特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~


個人的には、この自己肯定感や自己有能感は、未来のイメージと関連があるのではないかと思います。


人の価値意識や自己肯定感に影響を与える評価。アドラーは、すべての悩みは人間関係によるものであると言っていますが、人を動機づけする上でも非常に強力な影響があると考えます。


話を聞いていき出てきた偏った価値観を持った方々に傾向があるように感じ、自分なりに整

理してみました。4つの評価軸をご紹介します。


・自己評価


自分で自分の成果や結果に対して下す評価です。

これが強すぎると二極化しているように感じます。他者から「十分だ」と言われているのに過剰に自分のアウトプットにこだわり過剰品質になってしまっている状態。または他者から「まだまだ」と言われているのに満足してしまう状態。いずれにせよセルフイメージが、他者の期待や要求と祖語がある状態といえます。


特に過剰に自分の評価が低い状態だと一向に自身に満足できません。これは向上心とも関係しているともいえますが、行きすぎると他者からの評価を受け取れない状態となり、自分で自分を苦しめることにもなりかねません。



・他者評価


自分の成果や結果を他者に委ねる評価です。

これが強すぎると他者からの評価でしか自分の価値を見いだせない状態で、しばしば他者評価を満たすために行動をしてしまっている方も見受けられます。


他者評価への依存で怖いのが、他者評価軸は安定性がなく、正確には本人しか分からないということです。当たり前ですが、相手が何で自分を認めてくれるかなど正確には分かりません


それなのに委ねてしまうと、気分に左右され、日によって違ったり、何をしても認められないなんてことも。何で満たされるのかの確証が得られません


アイデンティティが確立される前の子どもたちは親という他者評価に委ねていますが、真の意味で自律を成し遂げるためには、自己評価による軸の獲得が必要であると考えます。



・相対評価


他者と自分を比較する評価です。

これが強すぎると他者と自分を比較し、自分だけでなく他者に対して上下をつけがち。分かりやすく比較できる「点数」「順位」「偏差値」「職位」などによって価値を決め、満たされるために、相手より優位に立とうとし、そこで自身の価値を見出そうとします。


適度にあることは自分の能力に対する自信になり、自負にもなります。しかし、いきすぎるといい点を取ろうとすること、より上位に行こうとすることが目的化してしまい、「何のために」という本質を見失う場合もあると言えます。またキリがなく、誰かに自分の位置を脅かされないか、常にストレスや劣等感と戦っている方もいるのではないでしょうか



・絶対評価


承認や受容、主観的な価値観にもとづいた評価です。

相対評価が目に見えて分かる定量的によるものが強いとしたら、こちらは定性的な側面が強いです。自分がいい、信頼できる他者がいいと言えばそれでいい


かつての日本の教育にはテストはありませんでした。世界トップと言われる日本の識字率、読み・書き・珠算などを習うその寺子屋など民間の学び舎があったからこそ、今の日本の発展がありますが、そこでの評価は、まさしく教師の立場の「よし」という承認でした。


非常にシンプルではありますが、子どもの自己肯定感や自己有能感の発達には非常に重要です。しかしこれもいきすぎると、認められるために頑張ろうとしてしまい、内発的な動機づけを阻害しかねません。アドラー心理学でも、教育においては褒めてはならないとしていますね。




もしかしたら近いことを考えられたり研究されている方もいるかもしれませんが、これらの評価を、「評価基準のマトリクス」と名付けてみました。


的リスク
評価基準のマトリクス

どれが良い悪い、どれか一つしか持っていないという訳ではありませんが、皆さんはどれが近いでしょうか。


ちなみに私は絶対的自己評価の傾向が強いです。他者からの評価との齟齬がある可能性もありますが、お陰で外的ストレスが少ないように感じます


「常に誰かと比較してしまう」「親や教員、上司に認められることが目的となっている」

ご自身のこれまでを振り返って、そう感じることはありませんか。


もし、人間関係で生きづらさを感じている人には相対的他者評価の傾向が強いのではないかと思います


もっと詳しく知りたいという方、ご意見も含めぜひお気軽にコメントください。




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山本一輝


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